こどもの歯は大人の歯に比べてやわらかく、むし歯になりやすいのが特徴です。
「乳歯は生え変わるから大丈夫」といって油断すると、永久歯にも影響することがあります。
そこで今回は、こどもの歯を守るために知っておきたい正しい歯みがきの方法と、よくある間違った歯みがき方法について解説します。
保護者の方が正しい知識を持ち、仕上げ磨きや生活習慣を見直すことで、お子さまの将来の歯の健康を守りましょう。
目次
■こどもの歯みがきが重要な理由
◎乳歯はむし歯になりやすい
乳歯は、歯の表面のエナメル質や、その内部の象牙質が薄いという特徴があります。むし歯の原因となる「酸」に弱いため、あっという間に進行してしまうのです。
見た目には小さな黒ずみに見えても、実際は内部で大きく広がっていることも珍しくありません。
◎乳歯のむし歯が永久歯にも影響
乳歯がむし歯になると、その下にある永久歯の発育や生える位置に影響する可能性があります。
特に根の先にまでむし歯が及ぶと、その影響が永久歯に伝わりやすくなります。
乳歯だからむし歯になっても大丈夫ではなく、乳歯も適切なケアを行い、守る必要があるのです。
◎自分でうまく磨けない年齢
こどもは手先が未発達で、きちんと磨くことが難しいため、保護者さまによる仕上げ磨きが欠かせません。
できれば12歳頃までは、大人がサポートすることが理想的です。
■正しい歯の磨き方
◎歯ブラシは小さめ、やわらかめを選ぶ
お子さま用の歯ブラシは、口の大きさに合ったヘッドの小さなものを選びましょう。
毛先はやわらかめが基本です。
力を入れすぎず、やさしく細かく動かすのがコツです。
◎歯と歯肉の境目を意識する
むし歯になりやすいのは歯と歯肉の境目、奥歯の噛み合わせ部分、そして歯と歯の間です。ブラシの毛先をきちんと当てて、磨き残しのないように丁寧に磨きましょう。
◎1本ずつ、ゆっくり小刻みに
大人と同様に、こどもも1本ずつ丁寧に磨くことが大切です。
ゴシゴシこすらず、細かく動かすことで汚れがきちんと落ちます。
一本ずつ磨くにはワンタフトブラシなどの清掃補助用具を使用するのも良いでしょう。
歯みがきの時間の目安は3分程度です。
◎仕上げ磨きのポイント
お子さまが自分で磨いたあと、保護者さまが仕上げ磨きをすることで、磨き残しをしっかりカバーできます。
膝の上に寝かせる体勢がおすすめで、前歯の裏や奥歯の奥など、見えにくい部分を重点的に磨きましょう。
■年齢別・サポートのしかた
◎乳児期(0〜2歳)
歯が生え始めたら、ガーゼでふき取ることから始めましょう。
上の前歯が生えそろったら、乳児用の歯ブラシを使ってやさしく磨いてあげます。
◎幼児期(3〜6歳)
歯みがきの習慣づけが重要な時期です。
自分で磨く練習をしながら、必ず大人の仕上げ磨きをプラスしましょう。
遊び感覚で歯みがきを楽しめる工夫も効果的です。
また、保育園が始まると保護者さまの手を離れている時間が長くなります。
昼間にきちんと磨けていない、知らないところでおやつを食べるなどの心配も出てくる時期です。
就寝前の歯みがきは特にしっかり行うようにしましょう。
◎小学生以降
自分である程度きちんと磨けるようになっても、仕上げ磨きはできる限り続けると良いです。
定期的に歯科医院で染め出しチェックをするなどして、正しい磨き方が身についているかを確認しましょう。
【親子で取り組む歯みがき習慣】
こどもの歯はむし歯になりやすく、一度むし歯になると進行も早いため、日々の歯みがきがとても重要です。正しい歯みがき方法を身につけると同時に、間違った習慣を見直すことで、将来の口腔トラブルを防ぐことができます。
毎日のことだからこそ、楽しく、前向きに取り組める環境づくりが大切です。親子で一緒に磨いたり、仕上げ磨きを習慣にしたりしながら、こどもの健康な歯を守っていきましょう。