子どもの受け口はなぜ起こる?主な原因と受診の目安・家庭の対処法|にしかわ歯科おとなこども歯科|名古屋市港区の歯医者

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子どもの受け口はなぜ起こる?主な原因と受診の目安・家庭の対処法

子どもの受け口はなぜ起こる?主な原因と受診の目安・家庭の対処法

「うちの子、下の歯が前に出ている気がする」と感じたら


乳歯の噛み合わせが反対になっている——そう気づいた瞬間、「私の関わり方が影響したのかも」とご自身を責めてしまう保護者さまは少なくありません。受け口(反対咬合)の背景には骨格や癖など複数の要素が関わるとされ、原因を知ることで家庭でできる工夫も見えてきます。この記事では主な原因、受診時期の目安、日常での向き合い方を整理してお伝えします。


この記事の要点まとめ


  • 子どもの受け口には骨格・遺伝・癖など複数の要素が関わるとされています
  • 3歳頃や5〜6歳の生え変わり期は状態を確認する目安の時期とされています
  • 家庭でのトレーニングと歯科医院での評価を組み合わせることが大切です

子どもの受け口が起こる主な3つの原因(骨格・遺伝・生活習慣)


受け口は歯科では「反対咬合」と呼ばれ、下の前歯が上の前歯より前に位置している状態を指します。原因はひとつに絞れるものではなく、いくつかの要素が重なって現れると考えられています。


上顎と下顎の成長バランスによる骨格的・遺伝的要因


上顎と下顎は、それぞれ異なるスピードで育っていきます。上顎の発育が控えめだったり、下顎が前方へ伸びやすい傾向があったりすると、噛み合わせが反対になりやすいとされています。顎の大きさや形は遺伝の影響を受けやすく、ご家族に同じ傾向のかたがいる場合は骨格的な要因が関わっている可能性があります。


とはいえ、遺伝があるから必ずそうなる、という話ではありません。成長のバランスは環境によっても変わり得るため、早い段階で状態を把握しておくことに意味があると考えられます2


指しゃぶりや口呼吸・舌を突き出す癖などの機能的要因


骨格とは別に、日々のお口の使い方が噛み合わせに関わることもあります。長く続く指しゃぶり、下の前歯を舌で押し出す舌癖、お口が開いたままになる口呼吸などが代表的なところです。


舌が常に下の歯を押していれば下顎側に力がかかり続け、上顎には内側から広げる力が届きにくくなります。口呼吸が習慣になると口周りの筋肉が緩み、顎の成長バランスにも関わってくると指摘されています1。こうした癖は目に見えるぶん、家庭での工夫が届きやすい部分でもあります。


【よくある誤解】親のあやし方や姿勢だけが直接の原因ではない


「抱っこの仕方が影響したのでは」「あやすときに顎を突き出させてしまった」と気にされる保護者さまがいらっしゃいます。ただ、あやし方や授乳姿勢そのものが受け口を直接引き起こすと言い切れる根拠は乏しく、骨格と複数の習慣が絡み合って現れるものと考えられています。


必要以上にご自身を責めず、「これから何ができるか」に目を向けていただければ十分です。


受け口を放置するリスクと家庭で取り組める癖の緩和策

受け口を放置するリスクと家庭で取り組める癖の緩和策

噛み合わせの乱れは、見た目だけの話ではありません。成長期のお子さまにとっては、お口の機能全体に関わってきます。


発音(滑舌)や咀嚼機能・顎の成長バランスへの影響


前歯の位置関係が反対のままだと、サ行やタ行など舌先と前歯を使う音が発音しづらくなることがあります。前歯で食べ物を噛み切る動作もしにくく、咀嚼の効率に影響が出るケースも報告されています1


さらに成長が進み、下顎の前方への発育が続くと骨格的な差が広がっていく可能性も指摘されています。だからこそ、早い時期に状態を把握しておくことが、選べる対応の幅を保つことにつながります。


口呼吸から鼻呼吸への促しとお口のトレーニング(MFT)


家庭では、口腔筋機能療法(MFT)の考え方を取り入れた簡単な運動から始めてみましょう。


  • あいうべ体操:「あー・いー・うー・べー」と大きく口を動かし、最後に舌を思いきり下へ出す。1日30回程度が目安
  • 舌の位置づけ:舌先を上の前歯の少し後ろのふくらみに軽くつける練習を、遊び感覚で
  • 食事の工夫:やや歯ごたえのある食材を取り入れ、よく噛む習慣を育てる

どれも道具はいりません。ただし癖の状態によって向き不向きがあるため、歯科医院での確認と併せて進めていただくとよいでしょう2


指しゃぶりや舌癖をやさしく改善に導く声かけのポイント


癖をやめさせようと強く叱ると、かえって不安から続いてしまうことがあります。指しゃぶりは眠るときの心の支えになっていることも多いため、まずは日中の時間帯から減らしていく方法が現実的です。


「やめなさい」ではなく「今日は指なしで絵本読めたね」と、できた瞬間を言葉にしてあげる。カレンダーにシールを貼るなど、お子さま自身が変化を実感できる仕掛けも助けになります。焦らず、数ヶ月単位で見守る姿勢を大切にしてください。


歯科医院を受診する適切な時期と段階別の判断基準


「いつ相談すればいいのか」は、多くの保護者さまが迷われるところ。年齢の段階ごとに考え方を整理してみます。


乳歯が揃う3歳頃から受診を検討するメリット


乳歯が生え揃う3歳前後は、噛み合わせの全体像が見えてくる時期にあたります。3歳児健診での指摘をきっかけに気づかれるかたも多く、そこから歯科医院へ相談されるのはごく自然な流れです1


この段階では、すぐ装置を使うというより「今どういう状態か」を記録し、成長の方向性を一緒に確認していくことが中心になります。早めに相談することは、すぐ治療を始めることとイコールではありません。


自然に改善するケースと経過観察を行う基準


乳歯列期の反対咬合には、生え変わりに伴って噛み合わせの関係が変化していくケースもあります。前歯の傾きが主な要因で骨格的な差が小さい場合は、経過観察を選ぶこともあります。


一方、下顎全体が前方に位置している、ご家族に同様の骨格傾向がある——そうした要素が重なる場合は、確認の間隔を短くする判断がなされることもあります。ご家庭だけでの見極めが難しい領域ですので、歯科医師による評価を受けたうえで方針を決めていきましょう2


5歳〜6歳(永久歯への生え変わり期)における早期相談のポイント


5〜6歳頃は前歯が永久歯へ生え変わり始め、顎の成長も活発になる時期です。このタイミングで行う矯正は1期治療(Ⅰ期治療)と呼ばれ、顎の成長を利用しながらバランスを整えることを目的としています。マウスピースタイプの装置(プレオルソなど)や拡大装置、上顎の成長を促す装置などが選択肢に挙がります。


当院では歯科用CTやセファロ、口腔内スキャナー(iTero)を活用し、骨格の状態を含めて把握したうえで方針をご提案しています。矯正相談は無料で承っていますので、方針を決める前の情報収集としてお使いください。


通院が不安なお子さまへの配慮と歯科医院での丁寧な取り組み


「うちの子は歯科医院を怖がるから」と受診をためらう保護者さまへ。お子さまの気持ちに寄り添う工夫は、いくつも用意されています。


負担の軽減に配慮した設備とリラックスできる笑気麻酔の活用


当院は痛みへきめ細かく配慮したやさしい診療を掲げ、さまざまな取り組みを行っています。緊張が強いお子さまには、鼻から吸ってふんわりとした気分になれる笑気麻酔(小児用)を用い、落ち着いた状態で処置を受けていただけるよう配慮しています。効果の感じ方には個人差があるため、事前にご説明したうえで使用の可否を判断します。


また、マイクロスコープや歯科用CTといった設備を用いることで、必要な範囲を見極めた処置につなげています。院内には広いキッズルームがあり、診療室は個室・半個室でプライバシーにも配慮しました。


無理のないステップアップによる歯科医院慣らし


初回からいきなり処置に入ることはありません。まずは椅子に座ってみる、器具を見て触ってみる、水が出るのを体験してみる——そんな小さな成功体験を少しずつ重ねていきます。


当院には女性歯科医師も在籍しており、歯科医院が苦手な小さなお子さまでも落ち着いてご相談いただける環境を整えています。「今日はここまでできたね」と一緒に喜ぶことが、次回への前向きな気持ちにつながっていきます。


お仕事や育児と両立しやすい通院スケジュール・カウンセリングの相談


小児矯正は年単位のお付き合いになることもあり、通院ペースは大切な検討材料です。装置の種類やお口の状態によって間隔は異なりますが、多くは1〜2ヶ月に1回程度の来院が目安となります。


当院は完全予約制で、駐車場を11台ご用意しています。ご家族の予定に合わせた時間帯のご相談も承りますので、カウンセリングの際にお聞かせください。費用面についても、お支払い方法や医療費控除の考え方を含めてご説明いたします。


よくある質問


Q1. 子どもの受け口はどのように対応していくのでしょうか?


A. お口の状態によって方針は変わります。前歯の傾きが主な要因であればマウスピースタイプの装置(プレオルソなど)、上顎の成長を促したい場合は拡大装置やフェイスマスクといった選択肢が検討されます。まずは検査で骨格と機能の状態を把握するところからです。


Q2. 子どもがわざと受け口の状態を作ることはありますか?


A. 遊びで下顎を前に出す動作を繰り返すお子さまはいらっしゃいます。一時的なものであれば大きな問題にならないことが多いのですが、習慣化すると顎の位置に影響する可能性もあるため、気づいたときにやさしく声をかけてあげてください。


Q3. 子どもの受け口は自然に治りますか?


A. 生え変わりに伴って噛み合わせの関係が変化するケースもある一方、骨格的な要素が関わる場合は経過観察だけでは変化しにくいこともあります。自然な変化を待つべきかどうかの判断には、歯科医師による評価が必要です。


Q4. 受け口を防ぐために家庭でできることはありますか?


A. 鼻呼吸を促す、長引く指しゃぶりを少しずつ減らす、よく噛む食習慣を育てる、正しい姿勢を意識する。この4点が基本になります。あいうべ体操のような簡単なトレーニングも取り入れやすいでしょう。


Q5. 小児矯正の費用はどのくらいかかりますか?


A. 自由診療となるため、装置の種類や期間によって幅があります。なお、顎変形症など特定の疾患に該当する場合には公的医療保険が適用されることもあります。当院では矯正相談を無料で行っていますので、費用の目安もその場でご確認いただけます。


参考文献


1. 厚生労働省「健康づくりサポートネット(疾病・健康に関する情報)」 https://kennet.mhlw.go.jp/information/

2. 日本小児歯科学会 公式サイト https://www.jspd.gr.jp/


西川 昌志

歯科医師


にしかわ歯科おとなこども歯科

院長

西川 昌志

▶ 監修者プロフィール

経歴
名古屋市生まれ
愛知学院大学歯学部卒業
西川歯科医院勤務
西川歯科医院 院長
資格・所属学会
床矯正研究会会員
国際歯周内科学研究会会員