お子さまの歯を見ていて「これって乳歯?それとも永久歯?」と疑問に思ったことはありませんか。
乳歯から永久歯は、見た目だけでは判断しにくい場合もあります。
ここでは、乳歯と永久歯の見分け方や本数の違い、生える時期の目安について詳しく解説します。
また、乳歯がむし歯になりやすい理由についても触れていますので、ぜひ参考にしてください。
目次
■乳歯と永久歯の本数の違い
◎乳歯の本数は20本
乳歯は生後6ヶ月頃、下の前歯から生え始め、3歳前後で上下合わせて20本がそろいます。
乳歯の本数がきちんと揃うことは、顎の発達や言葉の発音にも影響するため重要です。
◎永久歯の本数は28〜32本
永久歯は6歳頃から生え始め、12歳前後までにほぼ28本がそろいます。
さらに親知らず(第三大臼歯)が18歳以降に生えると最大32本になります。
親知らずがないという人も一定数いるため、必ずしも32本そろうわけではありません。
本数を把握しておくと、現在見えている歯が乳歯なのか永久歯なのかを判断する手がかりになります。
■乳歯と永久歯の見た目の違い
◎色の違い
乳歯は全体的に乳白色で透明感があり、やや青白く見えることもあります。
永久歯は象牙質が厚く、少し黄みを帯びたアイボリー色です。
兄弟で並んでいる場合などに比べると、色の違いがより分かりやすいです。
◎大きさや形の違い
乳歯は永久歯に比べて一回り小さく、丸みを帯びています。
永久歯は幅が広く縦長で、ややしっかりとした形をしており、歯列の中でも存在感があります。
特に前歯には「マメロン」と呼ばれるギザギザが見られることがあります。
これは生えたての永久歯の証拠で、食事や噛み合わせによって自然にすり減り、なめらかになっていきます。
◎歯肉との境目の違い
乳歯は歯肉との境目が丸いカーブを描くような形をしています。
一方、永久歯は歯肉にしっかりと食い込むように生えており、歯と歯肉の境目にくびれが見られます。
鏡で歯肉との境界を観察すると、違いが分かりやすいポイントになります。
■乳歯と永久歯の生える時期の違い
◎乳歯が生える時期
乳歯は生後6ヶ月頃から下の前歯が生え始め、1歳頃には上下の前歯が揃い、3歳までに20本すべてが生えそろいます。
成長スピードに個人差はありますが、極端に遅い場合や左右差が大きい場合は、かかりつけの歯科医院で相談すると安心です。
◎永久歯が生える時期
6歳頃に6歳臼歯と呼ばれる奥歯が最初に生え、その後前歯や犬歯、小臼歯が順番に生え変わります。
12歳くらいまでにほぼ28本が生えそろい、最後に親知らずが18歳以降に出てくることがあります。
もし6歳を過ぎても乳歯が抜けず、永久歯が生えてこない場合は、埋伏や欠損の可能性があるため、レントゲンでの確認が推奨されます。
■乳歯と永久歯の質や構造の違い
◎エナメル質と象牙質の厚み
乳歯は永久歯に比べて、歯の表面のエナメル質や象牙質が薄いため、むし歯が早く神経に進行してしまうリスクがあります。
永久歯は表面のエナメル質が厚く、外部からの刺激やむし歯に対してある程度強い構造を持っています。
◎歯根の状態
乳歯の根は永久歯が萌出してくるにつれて徐々に吸収され、自然に抜け落ちる仕組みになっています。その後生えてくる永久歯はしっかりとした歯根を持ち、長期間機能するような形をしています。
【乳歯と永久歯の違いを見極めて適切なケアを】
乳歯と永久歯はよく見ると異なっており、同じようでも構造に違いがあります。
乳歯はエナメル質が薄くむし歯が進みやすい特徴があり、乳歯のむし歯は放置すると下から生えてくる永久歯の形成にも悪影響を与える可能性があります。
乳歯はそのうち抜けるからと放置せず、小さな頃から定期検診などを利用して早めに気づくことが、将来のお口の健康にもつながるのです。
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