小学生の矯正治療の選択肢として注目されているインビザライン・ファーストについて知っていますか？

透明なマウスピースを使用するこの矯正方法は、見た目の負担を減らしつつ、効果的に歯並びを整えることができる、インビザラインの小学生版です。

この記事ではインビザライン・ファーストの適応年齢やメリット・デメリットについて詳しく解説します。

お子さまの矯正治療を検討されているかたは、ぜひ参考にしてください。

■インビザライン・ファーストとは？

◎インビザライン・ファーストの特徴

インビザライン・ファーストは、小学生など成長期のお子さまを対象とした矯正治療です。

乳歯と永久歯が混在する混合歯列期に歯並びを整えることを目的としています。

◎インビザライン・ファーストの適応年齢

インビザライン・ファーストは、歯の状態によって開始できるタイミングが決まっています。以下の条件を満たす必要があります。

• 第一大臼歯2歯が2/3以上萌出していること

• 前歯が少なくとも2本、2/3以上萌出していること

• 少なくとも3/4顎に乳歯、または未萌出の永久歯が2本以上あること

この条件を満たす時期は、一般的に6歳～10歳頃に該当します。

ただし、単純に年齢で判断するのではなく、実際の歯の状態が重要です。

インビザライン・ファーストを始める適切なタイミングを見逃さないためにも、歯並びが気になる場合は早めに歯科医師に相談しましょう。

■インビザライン・ファーストのメリット

◎見た目が目立たない

透明なマウスピースを使用するため、装置が目立たず、見た目を気にするお子さまでも治療に抵抗を感じにくいです。

◎痛みや違和感が少ない

金属を使用しないため、口内炎や矯正中の痛みが起こりにくく、快適に治療を進められます。

また、金属アレルギーのお子さまでも安心して使用できます。

◎食事や歯みがきがしやすい

取り外しが可能なため、食事中に比較的好きなものを食べられます。

固い食べ物や粘着性のある食品を制限されることが少なく、お子さまの食事へのストレスが減らせます。

また、取り外して歯みがきができるため、歯の清掃が簡単で、むし歯のリスクを減らすことができます。

成長期の子どもにとって、健康な口腔環境を保つためにも、取り外しができることが大きなメリットです。

◎顎の成長を活かせる

顎の成長を利用して歯並びを整え、永久歯が生えるスペースを確保しながら歯並びを整えることができるため、将来的な抜歯リスクを減らせます。

◎日常生活に影響が少ない

口腔内に入れていても違和感が少なく、取り外しも可能なため、スポーツや楽器演奏などの日常的な活動に支障を与えません。

■インビザライン・ファーストの注意点

◎装着時間の管理が必要

1日20時間以上の装着が必要で、装着時間を守らないと効果が十分に得られません。

お子さまの自己管理能力と保護者さまの見守りが重要です。

◎紛失のリスク

取り外し可能なため、紛失のリスクがあります。

新しいマウスピースの再作製には追加費用がかかる場合があるので、しっかりとした自己管理が求められます。紛失には注意しましょう。

◎重度の症例には対応が難しい

軽度から中等度の症例には効果的ですが、重度の噛み合わせの問題や顎のズレには適さない場合があります。

【こどもの矯正治療を始める前に】

インビザライン・ファーストは、お子さまに配慮した透明な装置や取り外し可能な特徴から、負担の少ない矯正方法です。

ただし、注意点もあることから、適応条件や管理の必要性を理解した上で選択することが大切となります。

お子さまの歯並びやライフスタイルに合った治療法を選ぶために、歯科医師としっかり相談し、インビザライン・ファーストについて検討してみてください。