仕上げ磨きに関する悩みは多く、保護者さまの関心の高いテーマです。
特に仕上げ磨きをいつまでするかについて、お悩みになる保護者さまは少なくありません。
今回は、仕上げ磨きの必要性や年齢別のポイント、そしてこどもが自立して歯みがきできるようになるまでのコツについて詳しく解説します。
目次
■仕上げ磨きってなぜ必要?
◎こどもは歯みがきの技術が未発達
こどもは手先の器用さが未熟で、磨いているつもりでも磨き残しが多くなりがちです。
特に奥歯や歯の裏側などは見えづらく、うまくブラシが当たっていないことがよくあります。そのため、おとなの仕上げ磨きでカバーすることが必要です。
◎日々のチェックにもなる
仕上げ磨きは、単に磨くだけでなく、むし歯や歯肉の炎症、歯の生え変わりの状態などをチェックする貴重な時間でもあります。
早期の異変に気づくきっかけにもなります。
■仕上げ磨きは何歳まで必要?
◎基本的には小学校中学年ごろまでが目安
仕上げ磨きが必要な期間の目安としては、理想としては永久歯交換が終わるまでですが、基本的にはおおよそ9歳〜10歳ごろ(小学3〜4年生)までといわれています。
※歯科医院によっては12歳ごろまで
必要とご案内する場合もあります。
この時期までには、多くのこどもが手先の器用さや注意力を身につけ、自分である程度丁寧に歯を磨けるようになります。
とはいえ、個人差が大きいため、何歳までと一律に区切ることは難しく、お子さんの発達や歯みがきの習熟度に応じて判断するのが良いでしょう。
■年齢別・仕上げ磨きのコツと注意点
◎1歳〜2歳:短時間で慣らす
この時期は、歯ブラシを口に入れること自体を嫌がる子も多いため、無理に時間をかけず、歯ブラシを口の中に入れてくれることが大きな一歩です。。
お子さまの機嫌が良いタイミングを選び、歌をうたう、ぬいぐるみを使って遊び感覚で行うなどして慣れさせていきましょう。
◎3歳〜5歳:仕上げ磨きを前提とした自分で磨く習慣をスタート
自分で歯ブラシを持てるようになったら、自主的に磨く習慣づけを開始します。
ただし、こどもが磨いたあとにおとなが必ず仕上げを行うことが基本です。
鏡を見ながら一緒にチェックするのも効果的です。
◎6〜9歳:口内環境が大きく変わるタイミング
この時期は、永久歯への生え変わりが進む時期です。
特に奥歯の溝や歯と歯の間は汚れがたまりやすいため、仕上げ磨きで見逃しがちな部分を重点的にチェックしましょう。
また、歯列の変化で磨きづらい場所が増えることもあるため、定期的にブラッシング方法を見直すことも大切です。
◎10歳前後以降:自立に向けたチェック中心に
この頃になると、ほとんどのこどもが自分で歯を磨けるようになりますが、磨き残しがないかを週に数回、おとながチェックしてあげると安心です。
仕上げ磨きから見守りへと段階的に移行していきましょう。
■仕上げ磨きを続けるためのコツ
◎毎日同じタイミングで習慣化する
仕上げ磨きを習慣づけるには、夜寝る前に毎日必ず行うルールを決めておくと良いでしょう。
生活の一部として組み込めば、こどもも抵抗を感じにくくなります。
◎ほめて伸ばすのがカギ
「自分で磨けたね」「上手にお口を開けられたね」など、小さなことでも積極的にほめてあげることで、こども自身が歯みがきに前向きになります。
◎嫌がるときは焦らず工夫を
無理に押さえつけて磨くと、痛みが生じることがあります。歯みがき=嫌なことという印象が残り、かえって習慣化が難しくなってしまうため、鏡を見せながら磨く、音楽をかける、絵本や動画で歯みがきの大切さを伝えるなど、こどもが楽しめる工夫を取り入れていきましょう。
【永久歯の交換期が目安】
仕上げ磨きは、こどものむし歯予防に欠かせない大切な習慣です。
何歳まで続けるべきかいつまで必要かは一人ひとり異なりますが、目安は9歳〜10歳ごろまでです。
ただし、永久歯が生えそろうまでは見守りやチェックを続けると安心です。
自立を急がせすぎず、丁寧にサポートしてあげることで、こどもも自然と歯みがきの大切さを学んでいきます。
毎日の仕上げ磨きを、親子のコミュニケーションの時間として楽しみながら取り組んでみてください。