フッ化物洗口は、簡単に実施でき、高い効果が期待される予防法として注目されています。この記事では、フッ化物洗口について、その基本、メリット・デメリット、実施方法などについて詳しく解説します。
目次
■フッ素とフッ化物洗口
◎フッ化物洗口の基本
フッ化物洗口は、フッ素を含む洗口液を使って口をすすぎ、むし歯を予防する方法です。
全国の学校で実施されており、こどものむし歯予防において重要な役割を果たしています。
◎フッ素の役割
フッ素はむし歯菌が作り出す酸に強いエナメル質を形成し、歯を保護します。
またむし歯の原因となる酸によって溶け出したカルシウムやリンを、再度歯の中に取り込み、再石灰化することで、歯の修復を助けます。
この働きにより、むし歯の発生や進行を防ぐ効果が期待できます。
■フッ化物洗口のメリット
◎むし歯予防効果が高い
フッ化物洗口を続けることで、高いむし歯予防効果が期待できます。
歯ブラシでは届きにくい歯間などにフッ素が行き渡るため、効率的にむし歯の予防を行うことができます。
◎簡単に取り組める
フッ化物洗口は、フッ素を含む洗口液を使って口をすすぐだけなので、こどもでもすぐに行えます。
学校での集団実施により日常生活の一部として取り入れやすく、むし歯予防の習慣を自然に身につけられます。
◎費用が比較的安価
フッ化物洗口は低コストで実施できるため、経済的負担が少ない予防法といえます。
自治体が実施する場合には無料で提供されることもあり、広く普及しています。
■フッ化物洗口のデメリット
◎誤飲のリスク
フッ化物洗口は正しい方法で行うことが重要ですが、特に小さいこどもでは洗口液を飲み込んでしまうリスクがあります。
指導を受けながら正しい使い方を学ぶことが必要です。
◎継続が必要
フッ化物洗口の効果を得るには、長期間継続して行う必要があります。
一度や二度では効果を実感できないため、日々の習慣として定着させることが大切です。
◎フッ素の過剰摂取について
フッ化物洗口は安全性が確立されていますが、誤飲のしすぎや過剰使用によるフッ素症について、リスクがゼロというわけではありません。
洗口液の濃度や量を守ること、保管場所のしっかりとした管理で安全に使用することができます。
■フッ化物洗口を安全に行うための注意点
◎歯科医師の診断を受ける
フッ化物洗口を始める前に、歯科医師に相談し、こどもの歯や口腔の状態に合った方法で進めることが重要です。
それぞれの健康状態や体質に応じたアドバイスを受けることで、安全なむし歯予防が可能になります。
◎正しい方法で行う
洗口液の使用量やフッ素濃度を正確に守ることが大切です。
過剰摂取を防ぐためにも、取扱説明書や歯科医師の指導に従い、適切な分量で使用することを心がけましょう。
また、実施の方法をしっかり知っておくことも大切です。
フッ化物洗口には専用の洗口液を使用し、1分ほど口の中をすすいで吐き出します。
その後30分間は飲食を控えることでフッ素が歯にしっかりと作用します。
こどもには飲み込まずに吐き出す練習をさせることが大切です。
◎開始年齢を見極める
フッ化物洗口は液体を飲み込まずに吐き出せる年齢から始めるのが安全です。
世界保健機関(WHO)では、1日の総フッ化物摂取量が過剰にならないように、7歳以降が適しているとしています。
【管理をしっかり行えば安全性の高い方法】
フッ化物洗口は、こどものむし歯予防に効果的な方法であり、簡単に取り入れられるのが特徴です。学校などでの集団実施と家庭での取り組みを組み合わせることで、むし歯予防の効果をさらに高めることができます。
一方で、正しい方法で安全に行うことが重要であり、誤飲のしすぎや過剰使用には注意が必要です。歯科医師と相談しながら取り組むことで、安心して継続することができます。
フッ化物洗口を活用し、こどもたちの歯の健康を守りましょう。