
目次
夜に「歯が痛い」と泣き出したとき、まず知っておきたいこと
夕食後、お子さまが急に「奥歯が痛い」と訴える。原因もわからず、受診のタイミングにも迷ってしまう場面です。この記事では痛みの主な原因の見分け方、今夜ご家庭でできる応急的な対応、翌朝すぐの受診を検討したい目安を、名古屋市港区の当院の視点から整理しました。
この記事の要点まとめ
- 子どもの歯の痛みはむし歯や生え変わり、ケガなど様々な原因が考えられます
- 冷やす・ゆすぐなど自宅での対処法と、避けたい行動を紹介しています
- 腫れや発熱がある場合は翌朝の受診を検討し、#8000も相談先として活用できます
子どもが歯の痛みを訴える主な原因と症状の見分け方

進行したむし歯や歯ぐきの腫れによる痛み
乳歯は永久歯に比べてエナメル質が薄く、むし歯が神経の近くまで進みやすいとされています2。冷たいものでズキッとする段階を越えて、何もしていなくても痛む、夜になると強まる——そんなときは神経に炎症が及んでいることも考えられます。歯の根元に膿がたまると、歯ぐきが赤く盛り上がったり、白いふくらみが見えたりすることも。歯そのものより歯ぐきの腫れが目立つときは、早めの受診を検討したい状態です。
生え変わりの違和感や食べかすの挟まりによる一時的な痛み
6歳前後は乳歯が抜け、6歳臼歯が生えてくる時期。歯ぐきを押し上げる刺激や、ぐらつく歯が当たる違和感を「痛い」と言い表す子どももいます3。肉の繊維や海苔が歯と歯ぐきの間に挟まっただけでも、痛みとして訴えることがあります。仕上げみがきの前にフロスをそっと通してみて、汚れが取れて楽になる様子なら、挟まりが背景にある可能性も考えられます。
転倒などによる口のケガや強い歯ぎしりによる影響
転倒や衝突で歯をぶつけた後は、数日から数週間たってから痛みや歯の変色が現れることもあります。ぐらつき、歯ぐきからの出血、噛んだときの違和感があれば、いつぶつけたかを記録しておきましょう。睡眠の状態や噛み合わせの状況から強い歯ぎしりが続き、朝方に奥歯が重く痛むケースも見られます。まれに中耳炎など耳の炎症が奥歯の痛みとして感じられることもあり、耳を頻繁に触る様子があれば小児科への相談も選択肢になります1。
今夜できる自宅での応急処置とやってはいけない注意点

冷やす・口内をゆすぐ・小児用鎮痛薬を使う対処法
まずは頬の外側から、濡れタオルや布で包んだ保冷剤を数分ずつ当てて冷やします。ぬるま湯で口をゆすぎ、食べかすを流すだけでも和らぐことがあります。歯みがきは痛む部分を避け、周囲だけをやさしく。年齢と体重に合った小児用の解熱鎮痛薬を、用法用量を守って使う方法もあります1。服用した時間と量をメモしておくと、受診時の説明がスムーズです。
患部を直接触る・温めるなど避けたい行動
指や爪楊枝で痛む部分を強く触ると、かえって刺激になります。氷を直接口に入れる、熱いお風呂に長く入る、辛いものや熱い飲み物を与える——こうした対応も痛みが強まる要因になり得ます。市販薬を歯の穴に詰める自己判断での処置や、大人用の鎮痛薬を割って与えることは控えてください。就寝時は痛む側を下にせず、頭を少し高くすると楽に感じる場合もあります。
夜間に痛みが激しい場合の電話相談窓口(#8000)の活用
眠れないほど痛む、発熱がある、顔が腫れてきた。判断に迷うときは、全国共通の子ども医療電話相談「#8000」へ電話すると、看護師や医師から受診の目安について助言を受けられます1。地域の休日夜間急病診療所や歯科の当番医情報も、自治体サイトで前もって確認しておくと、いざというときに落ち着いて動けます3。
翌朝すぐに歯科医院を受診すべき目安と受診時の配慮
顔の腫れや発熱など早急な受診が必要なサイン
次のような様子があれば、翌朝の受診を優先して予定を調整することをおすすめします。
- 頬や目の下、あごの下まで腫れが広がっている
- 発熱があり、ぐったりしている
- 鎮痛薬を使っても眠れないほど痛みが続く
- 歯をぶつけた後にぐらつきや位置のずれがある
- 歯ぐきに白いふくらみや膿が見える
腫れが広がっているときは炎症が周囲に及んでいることもあり、早めの診察と処置の検討が必要になるケースがあります3。
受診を怖がるお子さまへの声かけと事前準備
「痛くないよ」と言い切ってしまうと、実際と違ったときに歯科医院への信頼が揺らぎます。「お口の中を見てもらって、痛みの原因を一緒に探そうね」と目的を伝えるほうが、受け入れやすいものです。保険証・子ども医療費受給者証・母子健康手帳を用意し、痛み出した時刻や使った薬も控えておきましょう。多くの自治体の助成制度では、就学前後のお子さまの保険診療の窓口負担が軽減されます1。
にしかわ歯科おとなこども歯科における笑気麻酔など負担を抑える取り組み
当院では痛みにきめ細かく配慮したやさしい診療を大切にし、小児用の笑気麻酔の導入や、器具に少しずつ慣れていただく段階的な進め方を取り入れています。歯科用CTやマイクロスコープで状態を確認しながら、丁寧でわかりやすい説明を心がけています。「ママとこどものはいしゃさん」グループ加盟院として0歳からのむし歯予防にも力を入れ、女性歯科医師も在籍。広いキッズルームと個室・半個室の診療室もご用意しています2。急な痛みの際は、お電話(052-301-4182)またはWEB予約からご相談ください。
よくある質問
Q. 子どもが急に歯が痛くなったら、まず何をすればよいですか?
A. 頬の外側から冷やし、ぬるま湯で口をゆすいで食べかすを流します。必要に応じて年齢に合った小児用鎮痛薬を用法どおりに使い、痛み出した時刻や薬の量を記録して、翌朝の診療時間に合わせてご連絡ください。
Q. むし歯が見当たらないのに強く痛がります。原因は何でしょうか?
A. 生え変わりの刺激、食べかすの挟まり、歯ぐきの炎症、歯をぶつけた影響、強い歯ぎしり、中耳炎などの関連痛といった可能性が考えられます。見た目だけでは判断が難しいため、レントゲンなどを含めた診察で確認することをおすすめします。
Q. むし歯が進行しているサインはありますか?
A. 何もしなくても痛む、歯ぐきが腫れて白いふくらみがある、歯の色が黒や灰色に変わっている、顔まで腫れている——こうした様子は進行を示す目安になり得ます。早めにご相談ください。
Q. 帯状疱疹で歯が痛くなることはありますか?
A. 顔面の神経に沿って炎症が起こると、歯やあごの痛みとして感じられる場合があります。皮膚に痛みを伴う赤みや水ぶくれが出ているときは、歯科と併せて小児科・皮膚科への相談もご検討ください。
Q. 治療を怖がる場合、笑気麻酔は使えますか?
A. お子さまの年齢や体調、当日の様子を診たうえで適応を判断しています。緊張が強いときは、慣れる工程から段階的に進める方法もご提案しますので、事前にご相談ください。
参考文献
1. 厚生労働省「健康づくりサポートネット(疾病・健康に関する情報)」 https://kennet.mhlw.go.jp/information/
2. 厚生労働省「健康づくりサポートネット(口腔・歯の健康)」 https://kennet.mhlw.go.jp/information/teeth
3. 日本小児歯科学会 公式サイト https://www.jspd.gr.jp/
愛知学院大学歯学部卒業
西川歯科医院勤務
西川歯科医院 院長
国際歯周内科学研究会会員
あわせて読みたい関連記事
