子どもの顎矯正は成長期が重要!抜歯を避ける治療時期と基礎知識|にしかわ歯科おとなこども歯科|名古屋市港区の歯医者

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子どもの顎矯正は成長期が重要!抜歯を避ける治療時期と基礎知識

子どもの顎矯正は成長期が重要!抜歯を避ける治療時期と基礎知識

就学時健診で噛み合わせを指摘された保護者さまへ


「顎の成長が止まる前に動いたほうがいいの?」「怖がりな我が子に装置は続けられる?」と迷う声をよく伺います。上顎と下顎で異なる成長時期、6〜8歳頃に始める第1期治療の考え方、家庭で気づける発育のサインを整理しました。受診時期を見極める手がかりとしてお役立てください。


この記事の要点まとめ


  • 6〜8歳頃の成長期に顎の土台を整えることで、将来的な抜歯を避けられる場合があります。
  • 乳歯のすき間や口呼吸などの癖は顎の発育に関わるため、早期の確認と習慣改善が役立ちます。
  • 光学スキャナーや笑気吸入鎮静法など、通院時の負担に配慮した工夫も選択可能です。

成長期を活かす子どもの顎矯正!骨格誘導と治療開始の目安

成長期を活かす子どもの顎矯正!骨格誘導と治療開始の目安

子どもの矯正で「時期」が話題になるのは、顎の骨がまだ育っている途中だから。歯を並べるだけでなく、骨格の育ち方そのものへ働きかけられる期間には限りがあると考えられています。


上顎と下顎で異なる成長ピークとスキャモンの発育曲線


スキャモンの発育曲線が示すとおり、体の各部位は同じペースで育つわけではありません。顔面のうち上顎は頭蓋骨に近い発育パターンをたどり、10歳前後までに横幅の成長がかなり進むとされます。一方の下顎は、身長が大きく伸びる思春期と連動して遅れて伸びる傾向があり、受け口の傾向がみられるご家系では長期的に経過を追う必要があります23。上顎の幅は早い時期に整え、下顎の前後関係は思春期をまたいで見守る。この二段構えが基本の発想です。


6歳から8歳頃に始める第1期治療の役割と骨格への働きかけ


乳歯と永久歯が混在する混合歯列期に行うのが第1期治療。前歯が生え替わり始める6〜8歳頃は、顎の幅を広げたり前後のバランスを整えたりする働きかけが行いやすい時期のひとつとされています3。装置は取り外し式の床矯正装置、上顎の幅に働きかける拡大装置、マウスピース型の装置など複数あります。骨格タイプ(反対咬合・上顎前突・開咬など)やご協力の得やすさを踏まえ、ご相談のうえで選択します。


早期アプローチが将来の抜歯や外科手術の可能性を減らす仕組み


永久歯が並ぶ土台に余裕がなければ、歯列は重なり合いやすくなります。成長期のうちにスペースを確保しておくことで、将来的に健康な歯を抜く処置や、顎変形症に対する外科的な処置を選ばずに済む場合があるという考え方です23。ただし成長の程度には個人差が大きく、すべてのケースで回避できると断定はできません。定期的に経過を確認しながら、計画を柔軟に見直していく姿勢が欠かせないと考えています。


家庭で確認できる顎の成長不足サインと日常の癖


診断そのものは歯科医院で行いますが、日々の様子から気づけるヒントもあります。受診のきっかけとして知っておくと役立ちます。


乳歯のすき間不足や噛み合わせの深さを見極めるポイント


乳歯列では、永久歯の生え替わりに備えて歯と歯の間にすき間(発育空隙)が見られるのが一般的とされています。乳歯がぴったり隙間なく並んでいる場合は、永久歯の並ぶスペースが不足しやすい傾向があると指摘されています4。ほかにも、上の前歯で下の前歯が隠れるほど噛み合わせが深い、下の前歯が上より前に出ている、上下の前歯が噛み合わずすき間が残る——こうした状態は一度確認しておきたいサインです。


口呼吸・舌の癖・頬杖が顎の発達と歯並びに及ぼす影響


口が開いたままの状態が続くと、唇や舌が歯列に加える力のバランスが崩れやすくなります。舌が低い位置に落ちれば上顎を内側から支える力が弱まり、上顎の幅が狭いまま育ちやすいという見方があります14。頬杖、片側だけで噛む習慣、うつぶせ寝なども、顎に偏った力がかかる要因のひとつ。鼻づまりが続くようであれば、耳鼻いんこう科と連携して原因を整理することも検討します。


装置だけでなく舌や口周りの筋機能を整えるトレーニングの重要性


装置で骨格に働きかけても、口呼吸や舌の癖が残れば後戻りの要因になり得ます。そこで当院では、筋機能トレーニング(MFT)で舌の位置や飲み込み方、唇を閉じる力を整え、鼻呼吸へ移行しやすい環境づくりを併せてご案内しています34。院長は日本床矯正研究会に所属し、装置と習慣改善の両面から計画を組み立てる考え方を大切にしています。ご家庭での声かけも治療の一部と捉えていただけると、進めやすくなります。


怖がりなお子さまでも続けやすい小児矯正の進め方と環境


低学年のお子さまでは、装置そのものより「型取りが苦手」「器具の音が怖い」といったハードルが先に立つことがあります。当院ではその負担を軽くする工夫を重ねています。


型取りが苦手なお子さまの負担を軽減する光学スキャナーの導入


粘土状の材料をお口に入れる従来の型取りは、えづきやすいお子さまには負担になりがち。当院では口腔内スキャナー(iTero)を導入し、小型カメラでお口の中を読み取る方法もご用意しています。材料を固める待ち時間がないため、短い時間で資料採取を終えやすい点が特徴です3。あわせて歯科用CTやセファロで骨格の状態を立体的に確認し、成長段階に応じた計画づくりに活かします。


治療への強い恐怖心を和らげる小児用笑気麻酔の選択肢


緊張が強いお子さまには、小児用の笑気吸入鎮静法をご提案できる場合があります。甘い香りのガスを鼻から吸っていただくと、ぼんやりと落ち着いた気分になり、処置への抵抗感が和らぎやすいとされる方法です3。当院は「痛みにきめ細かく配慮したやさしい診療」を掲げ、女性歯科医師の在籍、広いキッズルーム、個室・半個室の診療室など、通院そのものを負担に感じにくい環境づくりに取り組んでいます。


第2期治療への移行基準と家計の負担を抑える医療費控除


第1期治療で土台を整えたあと、永久歯の並びを細かく仕上げる必要があればワイヤー矯正やマウスピース矯正による第2期治療へ移ります。判断材料となるのは、永久歯の生え揃い方、残っている不正咬合の程度、成長の落ち着き具合。費用面では、1年間の医療費が10万円を超えた場合に医療費控除の対象となる仕組みがあり、生計を共にするご家族分も合算できます14。当院は矯正費用にトータルフィー制度を採用し、無料の矯正相談も承っています。費用の見通しを含め、始める前に確認しておくことをおすすめします。


よくある質問


Q1. 子どもは矯正で顎を広げる治療をしたほうがよいのでしょうか?

A. すべてのお子さまに必要というわけではありません。乳歯のすき間の状態、永久歯の生え方、骨格タイプなどを検査したうえで、経過観察で足りるのか、成長期に働きかけたほうがよいのかを検討します。まずは診査を受け、選択肢を整理してみてください。


Q2. 顎を広げる矯正の費用はどのくらいかかりますか?

A. 使用する装置や治療期間によって幅があり、第1期治療と第2期治療の両方を行うかどうかでも総額は変わります。自由診療が基本ですが、顎変形症など定められた疾患に該当する場合は保険が適用されることもあります。当院では無料の矯正相談で費用の目安をご説明しています。


Q3. 顎の成長に働きかける矯正で、子どもの顔つきは変わりますか?

A. 骨格の成長方向に影響することがあるため、口元や顔のバランスの印象が変わる可能性はあります。ただし変化の程度には個人差があり、どこまで変わるかを事前に断定することはできません。検査結果をもとに、想定される範囲をお伝えします。


Q4. シーラントは何歳頃から受けられますか?

A. 奥歯の永久歯が生え始める6歳前後や、乳歯の奥歯の溝が深い時期が目安のひとつです。生え方や溝の形には個人差が大きいため、定期検診の際にタイミングをご相談ください。


Q5. 装置を嫌がって続けにくい場合はどうなりますか?

A. 取り外し式から固定式へ変更する、装着時間を段階的に増やすなど、進め方を調整できる場合があります。無理を重ねるより、状況を共有しながら計画を見直すほうが続けやすくなります。


参考文献


1. 厚生労働省「健康づくりサポートネット(疾病・健康に関する情報)」 https://kennet.mhlw.go.jp/information/

2. 公益財団法人 日本医療機能評価機構「Minds ガイドラインライブラリ」 https://minds.jcqhc.or.jp/

3. 日本小児歯科学会 https://www.jspd.gr.jp/

4. 公益社団法人 日本歯科医師会 https://www.jda.or.jp/


西川 昌志

歯科医師


にしかわ歯科おとなこども歯科

院長

西川 昌志

▶ 監修者プロフィール

経歴
名古屋市生まれ
愛知学院大学歯学部卒業
西川歯科医院勤務
西川歯科医院 院長
資格・所属学会
床矯正研究会会員
国際歯周内科学研究会会員